=一般病院の電子カルテ普及率は65.6%=

先日、厚生労働省から令和5年度の電子カルテの普及率が公表されました。

(以下に資料添付)

前回(令和2年)まで電子カルテの導入率が5割に届かなかった(48.8%)200床未満の

病院の導入率が、59.0%に達しました。

3年間で500病院に導入されたことになります。

(因みに普及率は、200床以上の病院で84.3%、クリニックで55.0%です。)

つまり、小規模病院であっても、電子カルテが導入されていない病院はマイノリティになってしまいました。

「だからどうした、当院は電子カルテを運用していないが、問題無く回っていて経営も安定している。」と

言われるかもしれません。

しかしながら、2040年を見据えた「新たな地域医療構想」の重点は「訪問診療(在宅)」の

拡充となっており、地域の医療機関としてどのような役割を担うかを明確にして、機能の異なる

周りの医療機関や介護施設、更には地域に生活している方々から選ばれるためにも、

デジタル情報の連携を可能とする電子カルテを中心とした医療DXの構築が必要です。

更に、国の施策(医療DX2030)としても、様々な医療サービスを提供していくうえで、電子カルテの

導入は必須となっています。

また、20年ほど前には、「電子カルテが導入されたら辞めます」と言われる看護師さんや、

「キーボードを打つために医者になったんじゃない」と、反対されるドクターがおられましたが、

最近は、人材確保のために電子カルテを入れざるを得ないという病院も増えてきています。

それだけ電子カルテが医療業務を進めるうえで、当り前の医療DXツールになっている

証左だと思います。

では、なぜ4割以上の病院(200床未満)が未だに電子カルテを導入していないのでしょうか。

導入や検討を阻んでいる壁とは何なのか。

次回は、トップダウンのジレンマ(経営陣は導入したいが現場が動かない)と、ボトムアップの

ジレンマ(現場は導入したいが、経営陣に危機感が無い)という2つのジレンマに関して

考えてみたいと思います。