=無駄な仕事は無いが、仕事に無駄が多い=

医療機関として目指すべき姿(達成目標)は、経営陣にとっても医療提供スタッフにとっても、

病院として、「患者さんに笑顔になってもらい、適正な利潤をあげ、地域で選ばれる病院として継続する」

ことではないでしょうか。

最終的な目標を達成するためにはいくつかのステップが必要であり、ステップごとの達成度合いを

測定することが非常に重要です。

導入効果を測定する指標としては、「時間」・「コスト」・「収益率」・「患者数」・「患者満足度」など、

複数あります。                                                                                                

以前のブログでも書きましたが、すべての部署の「課題・困り事」に掛かっている時間の総量を

測定し、医療DXツールの土入の前後で比較する事も、有効な効果測定です。

それぞれの「課題・困り事」について、発生頻度(回数/日or週or月)に費やす時間を

掛けていくと、一か月間での無駄な作業に費やしている時間が判ります。

仮に最初のステップでの達成目標を「無駄な作業や時間を70%削減する」とした場合、

導入後(安定稼働後)に再度測定する事で、定量的な導入効果が測定されます。

また、事前に患者満足度調査を行っておくのも良いでしょう。

質問項目にもよりますが、病院に対して患者さんが持っている「不満」や「要望」に関して

どのような点が改善された(改善されなかった)のかが、明確になります。

医療DXツールを導入・運用した後にも、定期的に「課題・困り事」を調査して、

最適に運用できるよう、チューニングを継続する事も大切です。

中期的には、診療報酬改定や社会環境の変化(過日のコロナ禍など)などの外的な要因

の影響もありますが、病床稼働率や外来患者数、収益率などに関しても、導入効果の測定ができ、

継続的な経営改善に向けた検討が可能になることでしょう。

これまで、医療DXツール(システム)の導入効果を測定する事で得られる「効果」と、

医療DXツールの選定プロセスについて述べてきましたが、

医療DXについてどこから着手すべきか悩んでおられる医療機関の担当者の

ヒントになれたら、嬉しいですね。

次回は、導入効果(その①~④)と選定プロセス(その①~④)の

まとめをアップしていこうと思います。