漸く、3社程度に絞り込めましたが、本当に病院の課題・困り事を解決してくれるベンダー(システム)が
何処になるかを決めていかなければなりません。
電子カルテのように高額な投資を行う際には、病院スタッフも経営陣も納得できるものでなければ
なりませんので、できるだけ客観的に評価する必要があります。
以下の手順は、その一例としてご紹介します。
3.最終決定作業
1)持ち込みデモの日程の調整を行う。
※)中規模病院の場合、各社連続で2日間程度(2~3台)のデモが妥当です。
2)院内のすべての部署とのスケジュール調整(時間割)を行う。
※)各部門で1時間程度X2日の時間割を作成します。
但し、医局と看護部については、更に多くの時間を割り当てます。
3)アンケートを作成し、必ず回収します。
※)項目としては、使い勝手や見易さ、処理速度などの共通の質問と、
部門ごとの「課題・困り事」に対する解決の可能性について,部門ごとの
アンケートに記載して回収・評価します。
4)アンケート結果を数値化して比較表を作成します。
5)病院側が作成した仕様を基に、最終的な見積りを依頼します。
※)併せて、サポート内容や体制、医療安全対策、セキュリティ対策などを
提案して戴きます。
6)上記4)と5)を基に最終的な評価表を作成して、最有力ベンダーを決定します。
※)評価表の配点に関しては、それぞれの病院の状況により優先順位を決めて
点数を配分します。
優先順位の項目としては、価格(初期費用か月額利用料か)、サポート内容・体制、
会社としての信頼性(安定性)、導入実績、などなど
7)最終的には、理事会などでベンダーを決定して、導入作業に移ります。
ここからが、稼働予定日に向けて導入作業に入りますが、院内にプロジェクトチームを編成したり
工程表を作成して進めていくための体制を作っていきます。
導入作業については改めて説明しますが、以上が医療DXツール(の中でも電子カルテシステム)の
選定プロセスの一つの考え方です。
次回は、「医療DXツールの導入効果の測定」に戻ります。