前回までに、トップダウンのジレンマと題して現場との壁について話してきましたが、

今回からは現場の問題意識と経営陣との壁に関して続けたいと思います。

経営陣との壁については、下記の4点が主になると思われます。

複数の病院を経験して、電子カルテを上手に運用したことがあるスタッフにとっては、

紙カルテでの運用は非効率的な業務に映ることでしょう。

そもそも転職を検討する際に、電子カルテを導入していない病院は転職対象になっていない

可能性が高いと思われます。

では、電子カルテを導入して業務を効率的に進める事で、それぞれのスタッフが自身の業務に

専念して患者さんを笑顔にしようとしている担当者が経験するであろうジレンマ(壁)と

その解決策のヒントをお話ししていきます。

① 危機感がない。(コロナ前に戻れば)

② 導入する理由がない。(困っていないと思い込んでいる)

③ 今じゃなくても良いという「何もしない」理論

④ 予算を確保してくれない。

「ボトムアップのジレンマ(経営陣との壁)」

① 危機感がない。(コロナ前に戻れば)」

コロナ禍で減少した入院・外来患者数が、1年以上経過した現在でも戻ってこない

状況に対して、経営陣が「いずれ戻ってくるだろう」という根拠の無い期待をしています。

そもそも1990年をピークに、患者数は減少を続けており、更にはコロナ禍によって

患者の受診行動が変化しています。

更には、オンライン診療に対する規制緩和が進み、医療提供体制そのものが、

対応を迫られていることを認識すべきだと思います。

=壁を超えるヒント=

何もしなければ(病院が変わらなければ)今後も患者数は減少していきます。

患者数を維持し(できれば増やし)ていく為には、患者さんに選ばれる病院に

なることが最重要です。

患者さんに信頼されて笑顔になってもらう事が、選ばれる病院になることであり、

その為にはスタッフが本業に専念して、患者さんと接する時間を増やす事が

大切です。

スタッフの仕事に無駄な仕事はありませんが、仕事の中に多くの無駄が潜んでいます。

その無駄を省き効率的に仕事を進めるためには、情報の共有と一元管理が必要で、

電子カルテをはじめとする医療DXが大いに貢献できること、更には現場の切実な

危機感を、経営陣に対して丁寧に説明していきましょう。

残りの3項目については、盛沢山なので次回以降でお話ししていこうと思います。

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